広島・薮田
(30日、広島5―0西武)
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昨季沢村賞左腕のジョンソン、そして、昨季最多勝右腕の野村までが離脱した。左右のエースを欠く広島。苦しい台所事情を埋めたのが、今季初先発した薮田だ。6回を被安打5、無失点の快投。「連勝を途切らせなくて良かった。交流戦でいいスタートが切れました」。初々しく笑った。
交流戦前まで中継ぎの柱だった。23試合に登板し、3勝。23日のヤクルト戦で野村が腰の違和感を訴えたことで、まわってきた代役の先発マウンドだった。
序盤は苦しんだ。一回には2死一、二塁、二回には2死三塁を背負った。「西武はいい右打者が多い。一人一人と勝負して、インコースに投げきれた」。最速156キロを記録した直球で押した。ピンチを切り抜けると波にのった。
疲労が重なるなか、支えになったのは、妻の存在だ。同じ亜大出身でモデルの齋田カルナさん(26)と今月結婚。大卒3年目、公私ともに充実したシーズンを送る。「交流戦は厳しい試合が続く。今日と変わらず自分のできることをやっていきたい」
緒方監督は「1点もやれない中継ぎでは窮屈で、持ち味を殺すところがあった。先発で大胆に力みなく投げてくれた」と称賛。次回も先発起用を明言した。
6連勝で首位を堅守。両エースもまもなく戻ってくる見込みだ。薮田の台頭で先発陣は厚みが増す。昨季と同じく、交流戦で加速しそうだ。(吉田純哉)
○丸(広) 四回に先制の適時打。「とにかく走者をかえすことができて良かった。2巡目でしっかりととらえられた」
○緒方監督(広) 今季初先発の薮田を称賛。「大胆に力みなく投げてくれた。次も先発でいってもらう」