事故からまもなく、保育園の運営法人が設けた安全委員会の委員らが、園内に危険な箇所がないか確認して回った=2016年11月20日、福岡市南区桧原4丁目、宮谷由枝撮影
福岡市南区の「こばと保育園」で昨年11月、当時1歳の男児が排水溝でおぼれて一時心肺停止になった事故で、福岡県警は31日、安全管理を怠ったとして、女性園長(56)と女性保育士3人を業務上過失致傷の疑いで書類送検した。
事故は昨年11月14日午後2時50分ごろ発覚。園庭にある円筒形の排水溝(直径約30センチ、深さ約35センチ)に、通園していた男児が頭を突っ込み、たまった水でおぼれているのを保育士が見つけた。救急隊の到着時は心肺停止の状態だったが、その後一命を取り留め、約1カ月後に退院した。
4人の送検容疑は、排水溝の危険防止の対策を講じずに放置したり、男児の行動を監視するのを怠ったりしたというもの。捜査関係者によると、排水溝には普段プラスチック製のふたがかぶせてあったが、事故当時は外れていたという。
ふたは幼児でも外せる程度の重さで、実際に外す園児もいたといい、園側は県警の調べに「1年ほど前から、危ないと思っていた」と説明していた。県警は、園長や保育士が危険を予見していたのに適切な対応をせずに安全管理を怠り、事故を招いたと判断した。
園を運営する社会福祉法人や県警の説明では、男児は0歳児クラスに所属。当時は園児9人に対し3人の保育士が対応していた。1階の保育室で昼寝から起きた園児らが順次遊んでいたが、保育士が目を離した間に男児が室内からいなくなっていたという。(菅原普、緒方雄大)