1日の入団記者会見で背番号30を見せる安藤
サッカーの元日本女子代表(なでしこジャパン)で、2011年の女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝メンバーのFW安藤梢が、09年まで所属した、なでしこリーグ1部の浦和に復帰した。7月で、35歳。7年半プレーしたドイツで学んだ「戦う姿勢」を、後輩たちに伝えたいという。
1日にあった入団記者会見。安藤は得意のドイツ語であいさつを始めた。「浦和に戻ってプレーすることができ、すごくうれしい」。10年にデュイスブルクへ移り、13年に移籍したフランクフルトでは念願の女子欧州チャンピオンズリーグ優勝を経験。エッセンを経て、古巣に帰ってきた。
浦和(前身のさいたまレイナス含む)時代は、優勝した04年と09年に最優秀選手と得点王を獲得した。だが、実績をひっさげて渡ったドイツで、体格差に戸惑う。「向こうのサッカーは格闘技だった」。球を扱う技術より、球際の強さや90分走りきる体力が求められた。「相手を吹き飛ばしてでも、止める。そういうアピールをしないといけなかった」。激しいぶつかり合いもいとわず、俊敏性や素早さで大柄な選手と渡り合ってきた。
なでしこジャパンでもその姿勢は変わらなかった。15年W杯カナダ大会の初戦スイス戦。相手DFとGKの間に出たパスに走り込み、GKと激突した。左足首を骨折し、大会を棒に振った。だが、このプレーで得たPKから決勝点を奪った日本は、決勝まで勝ち上がり、準優勝した。
「戦う部分がまだまだ足りない」。日本でプレーする選手たちに対して、そう感じていた部分もあったという。「浦和は若くていい選手がたくさんいる。色んなことを吸収しながら、自分の経験も伝えていきたい」
11年W杯ドイツ大会で優勝するなど、126試合(19得点)出場したなでしこジャパンには、15年W杯を最後に選ばれていない。「常に成長することを意識してやっている。まずは浦和で優勝を目指す。そのことをとにかく集中してやっていきたい」。浦和は現在なでしこ1部で5位。次の公式戦は、11日のリーグ杯神戸戦(沖縄)になる。(勝見壮史)