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「取り分け制」に「ミニサイズ」、新型コロナで生まれた新たな商機の可能性は?

新型コロナウイルス感染拡大が発生して以来、中国の飲食業界では料理を1人分に取り分けるスタイルがトレンドとなっている。そして、各地の飲食店は商機を逃すまいと、「一人前」や「ミニサイズ」などのメニューを打ち出し、注目を集めている。筆者はこのほど、甘粛省蘭州市で取材を行った。新華社が報じた。


みんなで箸をつつく文化が陰ひそめる


蘭州市の人々にとって、煮込んだ牛肉入りの中華麵料理・牛肉麺は、食習慣において重要な位置を占める。正午になると、同市にある蘭州張国仁牛肉麺館の入り口付近のレジでは、注文する客が長蛇の列を作っており、店内には一人用のテーブルが並べられていた。昨年、同店が打ち出した3‐4人前のビッグサイズの牛肉麺がネット上で大きな話題となった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ビッグサイズの牛肉麺を注文する人はほとんどいなくなる一方で、普通の1人前の牛肉麺が大人気となっている。



資料写真、蘭州ラーメン


蘭州東方宮清真餐飲集団の馬俊経理によると、一人分の牛肉麺は最も一般的であるものの、新型コロナウイルス感染拡大防止対策実施期間中は、周りの人から少し離れて立ち、少し離れた席に座る「離立離席」が飲食店でも徹底され、牛肉麺にとっては「試練」の時期を迎えている。 「当店には300席あるが、今は指示に合わせて最多で50人しか座れない。客が並ぶ時間を短くするために、店員は注文、料理提供、片付けをスピーディーにするしかない」と話す。


蘭州市のいくつかの中華料理店を取材すると、ほとんどの店では客が一席間を取って座るようにしたり、向かい合わせにならないよう同じ方向を向いて座るようにしたりし、テーブルには、取り箸を使うよう注意を呼びかける表示が置かれていた。客の2割ほどは、「各料理を小分けに取り分けてほしい」と希望しているのが現状だ。


飲食店で「各料理を取り分けるスタイル」には主に「厨房で取り分けてから提供」、「ホールスタッフがテーブルで取り分けて提供」、「客が自分たちで取り箸を使って取り分ける」の3つのスタイルがあり、なかでも「厨房で取り分けてから提供」と「客が自分たちで取り箸を使って取り分ける」スタイルが多い。


ある関係者は、「食卓を囲んでみんなで食事をするというのは、中国の飲食文化における重要なスタイル。これまで、人々は料理をテーブルにたくさん並べ、みんなで会話をしながらそれらを食べて絆を強めたり、友情を深めたり、さらに商談を行ってきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大がこうした人々の生活に大きな影響を及ぼし、取り箸を使ったり、間隔を空けて座ったり、料理を取り分けるのが『トレンド』となり、伝統的な飲食文化ににわかに変化が生じている」との見方を示す。




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