実親が育てられない子どもを匿名で預かる赤ちゃんポストの関西での設置を目指すNPO法人「こうのとりのゆりかごin関西」は4日、京都市で理事会を開き、ポストの設置を当面見送り、相談業務だけを神戸市北区の「マナ助産院」(永原郁子院長)で始める計画を正式に決議した。引き続き別の場所でのポスト設置を目指すという。
望まぬ妊娠、おなかにバッグ落とし… でも育てると決意
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in関西によると、貧困や望まない妊娠で悩む母親らに、面談と電話で相談に応じる。万が一、親が匿名で子どもを置いていった時は預からずに、すぐに児童相談所などに連絡する。永原院長は「時間は区切らず、お母さんの心にじっくり寄り添い、特別養子縁組などの支援につなげていく」と話した。
in関西は今年2月、この助産院にポストを設置する計画を発表。しかし、医師が常駐していないとして神戸市から安全上の問題点を指摘され、計画の変更を検討していた。
赤ちゃんポストは、2007年に全国で初めて慈恵病院(熊本市)が相談業務とセットで設置した。赤ちゃんが預けられるとブザーが鳴り、看護師らが1分以内に駆けつける仕組みで、これまでに計130人の預け入れがあった。(山内深紗子)