大規模な特殊詐欺被害防止の警戒期間を前に、無人ATMを利用する人に注意を呼びかける警察官=大阪市西区、橋本弦撮影
金融機関の職員や警備員が常駐していない無人の現金自動出入機(ATM)が特殊詐欺グループに狙われている。特に自治体職員らを装って「医療費が戻る」などと現金を振り込ませる「還付金詐欺」で悪用されることが多い。昨年、全国最悪の被害となった大阪では多発する無人ATMを特定し、12日から1日約900人の警察官を動員して異例の集中警戒を実施する。
4月に新設された大阪府警の専門部署「特殊詐欺対策室」が主導。期間を設けて大規模に無人ATMの集中警戒にあたるのは全国的にも珍しい。自治体や金融機関にも協力を要請した。
特殊詐欺は家族をかたる「オレオレ詐欺」▽有料サイトのうその未納金などを請求する「架空請求詐欺」など8種類ある。還付金詐欺はこの一種で、大阪では昨年の特殊詐欺被害1633件(約52億5千万円)のうち725件(約8億2千万円)を占めた。今年も昨年を上回るペースで、4月末現在で405件(約4億4千万円)と全国最悪だ。
府警は以前からATMの警戒を…