衆院決算行政監視委で、民進党の宮崎岳志氏の質問に答弁する安倍晋三首相=5日午前10時28分、岩下毅撮影
学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題の質疑が集中した5日の衆院決算行政監視委員会で、安倍晋三首相が玄葉光一郎委員長(民進党)から「質問に答えてください」と再三注意された。野党は「答弁拒否の態度で真相解明にはほど遠い」と批判。野党を攻撃したり一方的に持論を展開したりする首相の答弁態度が、対立を深める要因になっている。
特集:加計学園問題
首相は民進の宮崎岳志氏から学園の加計孝太郎理事長との関係を指摘され、学園の役職に就いていたときの報酬額を尋ねられると、「加計氏と友人であることと政策に関与したかは別問題。印象操作を一生懸命している」と宮崎氏を批判。玄葉氏から「質問に答えてください」と注意されても批判を続けた。重ねて「もう質問に答えてください」と言われ、ようやく報酬額を答えた。
さらに旧民主党政権が構造改革特区で加計学園の提案を「速やかに検討する」と格上げしたことを取り上げ、「みなさんは上がってきたら『めくら判』ですか」と目が不自由な人への配慮を欠いた表現を使った。その後、発言を取り消したが、この際も玄葉氏から「質問にお答えください」と3度目の注意を受けた。
午後の参院決算委でも、民進の平山佐知子氏から「(問題に)総理が関与していないなら立証責任は首相にある」と指摘され、「問題があると言う方が立証するのは当然」と開き直り、自らの説明責任を棚上げした。
一連の首相答弁について、共産党の小池晃書記局長は5日の記者会見で「国民の疑問に応える姿勢が全くない。非常にあきれ、怒りを覚える」と述べた。