アジア選手権代表に決まった石塚将也(全日本空手道連盟提供)
「戦う公務員」といえば、今夏の陸上世界選手権(ロンドン)の公務員ランナー、マラソン代表の川内優輝(30)=埼玉県庁=が有名だが、もう一人、2020年東京五輪を目指す空手界の「戦う公務員」を紹介したい。
来月、カザフスタンで行われる空手のアジア選手権の日本代表を決める選考試合が10日、東京・日本空手道会館で行われ、組手男子84キロ級代表に、盛岡市役所の東京事務所に勤務する石塚将也(23)が選ばれた。
ナショナルチームメンバーによる3人の選考試合は全員が1勝1敗で並んだが、再試合の末に石塚が2連勝。国士舘大と近大の大学院生2人に競り勝ち、「しんどかったが、狙っていた」と笑顔を見せた。
札幌市出身。3年前の学生王者は埼玉・花咲徳栄高―帝京大を経て、昨年、盛岡市役所に就職した。当初は地元勤務だったが、今年4月の異動で東京事務所に。それでも勤務優先で、選考試合前日も盛岡まで日帰りで出張していた。
84キロ級は世界王者で現在、世界ランキング1位の荒賀龍太郎(荒賀道場)が君臨する階級。今回も、同じ7月にあるアジア選手権後のワールドゲームス(ポーランド)に荒賀が専念するため、出番が回ってきた。
「練習は業務の状況を見ながら、支障のない程度しかできない。それでも、空手が五輪競技入りして、夢を追いかけられる。公務員をしながら、競技が出来るのは幸せ」と話している。(竹園隆浩)