(14日、巨人3―0ソフトバンク)
巨人、3投手継投でノーヒットノーラン 史上4度目
最新の試合結果はこちら
九回2死一、二塁。巨人の抑え・カミネロが、松田から空振り三振を奪った。スコアボードのソフトバンクの得点は「0」。その隣の安打数も「0」だ。3投手の継投で、相手打線を完璧に封じ込んだ。
流れを作ったのは、今季初登板の山口俊。力任せではなく、140キロ台中盤の直球とフォーク、スライダーを内外、低めに集めた。三回までに6奪三振。六回に四球とボークでピンチを招いたが、丁寧さは失わなかった。6回102球を投げ、「いっぱい、いっぱい」とバトンタッチ。七、八回はマシソン、九回はカミネロが150キロ台の直球を連発し、ねじ伏せた。
山口俊は、昨オフにDeNAからフリーエージェント(FA)で加入したが、右肩痛で出遅れた。そんななか、チームは13連敗を喫するなど、泥沼に。前日には、FAの交渉の席で、3年契約で約7億円(金額は推定)の高評価をしてくれた堤前GMが退任した。「力になれず、すみません」。前日の試合前、東京ドームを訪れた堤前GMに言った。すると、肩をたたかれ、「気にするな。これから頑張れ」。恩返しを誓ったマウンド。勝利するとお立ち台で涙がこぼれた。
チームは昨オフ、史上初めて同一年にFAで3選手を獲得。今月6日にけがから復帰した1番の陽岱鋼、5試合連続無失点中の中継ぎの森福、そして、山口俊だ。「出遅れてチームに迷惑をかけた。これからしっかり貢献したい」と右腕。役者がそろい交流戦に入り初の2連勝で、反撃態勢は整った。(山口裕起)