警察官2人が切りつけられた仙台地裁=16日午後0時1分、仙台市青葉区、加藤秀彬撮影
16日午前10時ごろ、仙台市青葉区片平1丁目の仙台地裁の職員から「男がナイフを持って暴れている」と110番通報があった。宮城県警によると、刑事裁判の判決公判中に被告の男が傍聴席にいた警察官2人を刃物のようなもので切りつけ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。警察官2人は負傷したが、命に別条はないという。
県警によると、逮捕されたのは住所・職業不詳の淀川聖司容疑者(30)。今年1月20日、仙台市内の駅のホームで女性のスカートの中を盗撮したとして、県迷惑行為防止条例違反の罪に問われていた。
県警などによると、淀川容疑者は判決の言い渡し中に突然、傍聴席の柵を乗り越え、「この腐った司法制度が」などと叫びながら警察官2人(いずれも40代)を切りつけたという。2人は顔や背中、腹部にけがを負ったが、淀川容疑者の取り押さえに加わったという。淀川容疑者は保釈中で、現場にはカッターナイフと果物ナイフが1本ずつ落ちていた。仙台地裁によると、被告や傍聴人の持ち物検査はしていなかった。
最高裁によると、全国の地裁・高裁などで、裁判所に入る際、常に金属探知機による検査をしているのは、東京、福岡、札幌の地高裁と東京家裁。ほとんどの裁判所に探知機はあり、各裁判所の判断で、事件に応じて検査しているという。