15日に公開されたドゥテルテ大統領の写真=AFP時事
フィリピンのドゥテルテ大統領が、今月11日を最後に公の場に姿を見せていない。多いときは日に数回も演説をしていたリーダーの不在に、国民の間では「病気ではないか」などの臆測が飛び交っている。
ドゥテルテ氏は11日、ミンダナオ島で続く過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装組織との戦闘で死亡した海兵隊員の遺族と面会した。翌12日のフィリピン独立記念日には、マニラ首都圏で国旗掲揚式典に参加するはずだったが「体調が悪い」として欠席し、その後、公の場に姿を見せていない。昨年6月末の就任以来、5日も姿を見せないことは珍しい。
アベリヤ大統領報道官は15日、「大統領は元気。休養が必要なだけ」と強調。大統領側近が同日、ドゥテルテ氏とされる写真を公開した。だがネット上では、「大統領は働ける状態なのか」「やせたように見え、心配だ」などの声が飛び交っている。16日にはラクソン上院議員が、「どの国でも大統領の健康問題は個人の問題ではなく社会的関心事だ」と述べ、政府に情報公開を迫った。
まもなく就任1年を迎えるドゥテルテ氏は現在72歳。重い持病を抱えているとのうわさも絶えない。(ハノイ=鈴木暁子)