男子グレコローマン80キロ級決勝で、勅使川原延明を抱え込む前田祐也(上)=林敏行撮影
東京・代々木第2体育館で16日に開幕したレスリングの全日本選抜選手権男子グレコローマン80キロ級で、強豪チームに属さず、地方を拠点に競技に打ち込む異色のレスラーが2度目の世界選手権の切符をもぎとった。鳥取中央育英高事務職員の前田祐也(23)。勅使川原延明(日体大)との決勝を4―1で圧倒し、この階級で3連覇を果たして「職場にいい報告が出来る」と喜んだ。
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レスリングは、マット運動やスパーリングで、相手と組み合って練習するのが一般的なことから、レスリング部を抱える大企業や大学、自衛隊や警視庁といった組織に所属している選手がほとんどだ。
一方の前田は、平日午前8時すぎから午後7時半ごろまで勤務先の高校でみっちり仕事をこなし、その後にひとりでランニングか筋力トレーニングをするだけ。土日にようやくマット練習ができる環境で、この階級のトップに君臨し続けているから珍しい。