感想戦で対局を振り返る藤井聡太四段=17日午後、大阪市福島区、安冨良弘撮影
昨年12月のデビュー戦から公式戦26連勝中と快進撃を続けている将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が17日、大阪市福島区の関西将棋会館であった第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の1次予選1回戦で勝ち、連勝を「27」に伸ばした。神谷広志八段(56)が、五段時代の1987年につくった歴代1位の連勝記録「28」に並ぶまで、あと1勝に迫った。
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この日は、東京大1年で、学生名人の藤岡隼太(はやた)さん(19)と対戦。中盤で優位を築くと、終始攻め続け、106手で勝った。40分の持ち時間を2分残しての快勝だった。
終局後、藤井四段は「プロとして負けられないという気持ちはあったが、自然体で臨んだ。早指し戦なので積極的にいった。ここまで連勝できたのは非常に幸運です」。藤岡さんは「自分の力を出そうと臨んだが、序盤から機敏に動かれて苦しかった。さすがプロだなと思った」と話した。
歴代1位タイをかけた藤井四段の次の対局は、21日の王将戦1次予選。20連勝の時に戦った澤田真吾六段(25)と再び戦う。意気込みを聞かれた藤井四段は「相手は強敵で、厳しい戦いになる。記録は意識せず、気負わず臨みたい。思いっきりぶつかって全力を尽くしたい」と語った。勝てば、26日の竜王戦決勝トーナメント1回戦、増田康宏四段(19)との10代対決が、30年ぶりの新記録達成をかけた対局になる。(深松真司)