中日の岩瀬仁紀
(23日、中日1―0巨人)
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1点リードの九回2死一、二塁。あと1死で勝利の場面で、中日の森監督が動いた。「嫌な胸騒ぎがした。思い切っていこう」。守護神の田島から、ベテランの岩瀬にスイッチした。
巨人の打者は代打亀井。18日のロッテ戦では延長十二回に逆転サヨナラ3ランを放っている。長打が出れば逆転サヨナラもあるピンチで、東京ドームのボルテージは最高潮に達した。
だが、球界最年長の42歳は、冷静さを失わない。「打たれたら僕だけじゃなくて、バルデスや田島もダメージを食らう」。開き直って、球に力をめいっぱい込める。スライダーで空振りを奪うと、最後はシュートで二ゴロに。わずか3球。「バルデスがいい投球をして、田島も悔しい気持ちがあると思う。久しぶりに色々な思いを背負った」
2014年7月31日の広島戦以来で、自身の持つ最多記録を更新する403セーブ目。3季ぶりのセーブにも、「セーブがついたことより、チームが勝って終わったことの方が良かった」とあっさりしていた。
けがで苦しんだ時期を乗り越え、今季は「結果がすべて」と臨む。左のセットアッパーとしてフル回転し、この日が30試合目のマウンド。歴代最多登板の米田哲也の949試合まで、あと15試合だ。「とにかく1軍にいて、少しでも役に立てればいい。自分で結果を出して、勝ち取っていかないと」。必死のシーズンは、これからも続く。(野田枝里子)
○森監督(中) 3季ぶりにセーブの岩瀬について「(代打亀井で)嫌な胸騒ぎがあった。田島が悪いわけではない。あとの一手は岩瀬に任せた」。
○バルデス(中) 「菅野はエース。最初から意識していた。勝てる時も、勝てない時もちゃんと調整するのが一番」