近鉄が6月からアプリに追加した、列車位置が分かるサービス(近鉄提供)
列車の現在位置をスマートフォンのアプリやホームページを通じて公開する鉄道会社が、ここ数年で急増している。利用者が問い合わせの手間を省けることや、ダイヤが乱れたときの混乱回避といった狙いだ。スマホの普及が追い風になっている。
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近畿日本鉄道は6月1日から、スマホのアプリに新メニューを加えた。画面を見れば、走行中の列車がどこの駅や駅間にいるか分かるようにした。5分遅れの場合、列車マークの横に「+5」と表示される。
今まで利用者は「○○線で遅れ」といった全体状況しか分からなかった。近鉄の担当者は「お客様は自分の乗る列車がどこにいるかを知りたい。『動かなそうなので別ルートで行こう』といった判断も駅に来る前にできる」と利点を語る。
列車の現在位置を公開するサービスで先行していたのは、実は中小の鉄道会社だった。第三セクターの愛知環状鉄道(岡崎―高蔵寺)は2004年から、ホームページで公開。担当者は「翌年の愛知万博で利用者の急増が予想され、問い合わせの電話で会社がパンクしないよう導入した」と話す。
このサービスに同じ三セクの北越急行(新潟県、犀潟―六日町)がならった。12年にホームページのほか、各駅に画面を置いて公開を始めた。担当者は「大半が無人駅のため、雪の日などに情報がないままホームで待つお客様の不安を和らげたかった」。
近年のブームは、14年にJR…