巨人の田口麗斗
(4日、巨人3―0広島)
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巨人の田口が投げる直球は、球速140キロ前後。決して速くないが、本塁の両端ぎりぎりの真上を通過するから、バットの芯に当てさせない。高さは、打者のひざあたり。丁寧な投球を心がけて7回無失点。今季、チームが1勝10敗、7連敗中だった首位の広島相手に快勝をもたらした。
身長171センチ、体重83キロのずんぐりした体は、負けん気で満ちている。「勝ちたい、という思いは誰にも負けたくない」。マウンドに上がれば、まずは「完全試合」を目標に設定する。途切れたら、次は「無安打無得点」だ。安打を浴びれば、「完封」に切り替える。「やるからには一番上を目指して投げたい」。毎試合、そうやって自分を奮い立たせてきた。
この日、一回にいきなり先頭打者に二塁打。バントで1死三塁とされたが、「絶対に点はやらない」と気持ちを入れ直した。同じ腕の振りから速球とスライダーを低めに集め、丸を空振り三振、鈴木を投直に打ち取った。二回以降も丁寧さは失わず、今季3度目の完封も見えてきたが7回92球で降板。「正直、最後まで投げたかった」と悔しさもにじませたが、高橋監督は「力を十分に出してくれた」とたたえた。
これで今季7勝目、防御率は2・08で、ともにリーグトップだ。監督選抜で初の球宴にも選出された4年目の21歳。低迷するチームのなかで、その存在感は際立っている。(山口裕起)
○坂本勇(巨) 六回、中前へ先制打。「なんとか先に点を取りたいと思っていた。いい勝ち方ができた」