高校球児を支える弁当の写真を、写真投稿アプリ「インスタグラム(インスタ)」で共有し、励みにしている人たちがいる。多種多彩な弁当を用意する球児の保護者たちも日々、早朝の台所で戦っている。
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インスタの検索機能で、「#高校球児弁当」と入力すると、1万件近く(6月末時点)の投稿が見つかる。からあげや卵焼きなどの「定番」のほか、ハンバーグや鶏肉のソテーを丸々一つ、どーんと載せる弁当も目立つ。色とりどりのおかずを美しく盛りつけた弁当が並ぶ様子は、まるでカタログのようだ。
兵庫県姫路市の真鍋征子(ゆきこ)さん(43)も、長男で県立夢前高校野球部3年の一樹さん(18)のために作る弁当の写真を、毎日投稿する。「aho_yukiko」の名前で登録するアカウントは、1万6千人のフォロワー(読者)がいる人気ぶりだ。
6月のある朝。弁当ができあがると、ふたを閉める前に明るい窓際に移動し、スマートフォンでパチリ。投稿すると、瞬く間に大勢の人から、称賛の言葉が寄せられた。
「料理は苦手」という征子さん。投稿は「毎日作れるように」と始めた。「ご飯を炊き忘れた」などの失敗談や、息子との会話の一コマなどとともに投稿し、フォロワーと共感しあうのも、今は日常だ。「コメントは励みになる。インスタをしていなければ、作り続けられなかった」
小食で体が細かった一樹さんの体重は、入学前と比べて10キロ近く増えた。打撃でも飛距離が伸びた。「毎日これだけすごい弁当を作ってもらっとるし、野球で返さないといかんなあ」と一樹さん。
残りわずかとなった高校球児弁当との戦いに、征子さんは「楽になって助かる気持ちもあるけど、寂しくなるんだろうな」。(高岡佐也子)