古畑星夏さん=東京都渋谷区神宮前、篠田英美撮影
この夏、甲子園を目指して熱戦を繰り広げる球児たちへ。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演するなど俳優としてドラマや映画に活躍の場を広げるモデルの古畑星夏さん(21)に、高校野球への思いや球児たちへ贈るメッセージを語ってもらった。
過去最多700試合をライブ中継 バーチャル高校野球で全試合中継の大会も
夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
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私の周りはサッカーより野球をやっていた子が多かったです。高校生の時、同じ中学だった一つ上の先輩が甲子園に出ました。いまでも野球チームでプレーしているおじいちゃんと、甲子園が好きなお母さんと3人でテレビ観戦しました。「すごい」と思ったし、知っている人が出ていて興奮したのを覚えています。
中学の時はバレーボール部でした。弱いチームだったけど、先輩は厳しかった。「声出して」とか言われ、ボールを早く取って来ないと先輩に注意されるような。仕事は土日が多かったので、試合にはほとんど出られませんでしたが、平日の練習には参加して、3年間続けました。仲の良い友達がいっぱいいたし、担任の先生が顧問だったので。みんながいなかったら、きっと続けられなかったと思います。
高校時代は朝、仕事に行ってから学校に行って、授業を抜けて、また仕事に戻る日もありました。仕事の翌朝、起きて学校に行くことや、出られなかった授業の代わりに提出するレポートが大変でした。
でも、仕事をしながら毎日学校に行って、時間を守ることや人との関わり方を勉強したことで、いまの仕事に生きています。高校を卒業するとみんなで一緒に何かをする機会はあまりありません。いま思えば、良い経験だったし、楽しかったな。
高校野球は丸刈りとか、伝統とか、厳しいイメージがあります。暑い中で試合をやるのも大変そうです。けれど、それも「青春」って感じがします。私はユニホームの下に着るアンダーシャツに萌(も)えますね。高校時代、あれを着た野球部員が練習に行くのを見て「いいなぁ」と思いながら下校していました。
自分がもし男の子だったら、野球を絶対にやっていたと思う。おじいちゃんの影響が大きいです。一緒にやりたかった。やるならピッチャーでしょ。目立てるし、「かっこいい」とか言われたい。
甲子園でプレーできるのは「選ばれし者」ですよね。そこに向かっていくために、周りのみんなとの絆も深まるでしょうし、勝っても負けても素敵(すてき)。
高校球児にはパワーをもらっています。その瞬間にかけているというか、見ている私たちの知らない努力をいっぱいしてきたと思う。勝ち負けも大事かもしれないけれど、悔いの残らないように楽しんで。高校生活って一瞬しかないから、全力で野球をやってもらえたらな、と思います。
今年は100回大会ですもんね。高校野球は毎回同じシーンがないし、チームによってカラーが違う。それに、どんどん球児も進化しているから100回も続くんだと思うし、もっと続いて欲しいです。
今年の夏はきっとおじいちゃんと一緒に高校野球を見ると思います。プロ野球は球場で観戦したことがあります。野球は、テレビより球場で見る方が面白いですよね。高校野球もいつか球場で見てみたい。暑いでしょうけど、超楽しいんだろうなって思います。(構成・小林直子)
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ふるはた・せいか 1996年、東京都出身。2009年、ファッション誌「ニコラ」のモデルオーディションのグランプリを獲得し、中学1年でモデルデビュー。「セブンティーン」を経て、17年から「ViVi」の専属モデル。
俳優としてはドラマ「きょうは会社休みます。」「コウノドリ」など話題作にレギュラー出演。17年、「人狼ゲーム ラヴァーズ」で映画初主演を果たした。8月に公開予定の映画「青夏 きみに恋した30日」では、主人公の恋のライバルとなる美女・大鳥万里香役を務める。特技はメイク、書道。