JR新大阪駅前には、タクシーを待つ人たちの長蛇の列が続いた=2018年6月18日午後5時44分、JR新大阪駅、細川卓撮影
地震による交通網の乱れは夜になっても続き、家路につく人らを直撃した。
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足元の活断層 災害大国 迫る危機
災害大国 あすへの備え
淀川にかかる新淀川大橋(約800メートル)は18日夕、大阪市中心部から大阪府豊中市や大阪府吹田市など北摂方面へ歩いて帰ろうとする人、その逆方向に向かう人とでごった返した。橋の歩道部分は1・5メートルほどしかなく、人々は急ぎ足で行き交った。
橋を北摂方面へ歩いていた会社員男性(29)=大阪府茨木市=は「JRが再開するまで、とりあえず線路沿いを歩き続けて自宅まで向かいたい。しんどいですが、地震なので仕方ない」とあきらめ顔だった。
橋と大阪メトロの御堂筋線が並走しており、淀川にかかる部分もやがて運転を再開した。その様子が歩道からも見えると、「動いてるやん」との声が次々に上がり、ようやく橋の上から人が減っていった。
大阪の玄関口・JR大阪駅前も、運転再開を待ち続ける人らで混雑した。
兵庫県明石市の大学生水田誠人さん(18)は、大阪府内の大学へ行く途中の電車で地震に遭った。1時間近く車両に閉じ込められた後、線路上を歩くなどして大阪駅へ。改札前で午前9時半から、帰宅しようと明石方面への電車が動くのを待った。午後5時半になり、「駅員からは午後3時に再開する、午後5時に再開する、と聞いてたんだけど……」とこぼした。
遠方からの利用客も足止めされた。新幹線が発着する新大阪駅へ大阪駅から向かうバス停には、多くの人が並んだ。埼玉県越谷市の会社員男性(62)は「とにかく、今日中に家に帰ることができればいい。仕方ない」と疲れた様子で話した。
新大阪駅では、新幹線から降りた乗客らがタクシーを待つ長蛇の列ができた。長女(5)をユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に連れて行こうと、東京都立川市の会社員杉山大介さん(38)と真弓さん(30)夫妻は午前7時ごろに東京発の新幹線に乗り、約10時間かかって新大阪駅に到着。「待ち疲れました。早めに着いて楽しもうと思ったけれど、もうタクシーでホテルに向かいます」
阪急南千里駅(吹田市)で上り線ホームの一部が破損したこともあり、千里線は運転再開まで時間がかかった。沿線にある関西大学千里山キャンパスでは、帰宅が困難と訴える学生らが10人ほどいたため、大学が学生寮を開放した。