竹林の散策路にあった落書き。今年3月末のものとみられる=2018年5月18日午後4時51分、京都市右京区、高橋豪撮影
京都の観光名所・嵐山(京都市右京区)の竹林で、竹が刃物のようなもので彫られて、落書きされる被害が相次いでいる。被害は100本以上。外国人観光客らが書いたものとみられ、竹林を所有する京都市は対策に頭を悩ませている。
落書きが見つかったのは「竹林の散策路」と呼ばれる地区(約3800平方メートル)。京都市が2003~05年に民間から土地を取得して整備。15年から昼間は一般に開放している。
市によると、落書きは2月ごろから目立って増えた。アルファベットや中国語、韓国語などでカップルとおぼしき名前やイニシャル、日付、ハートマークなどが刻まれている。日本語もあるという。
被害が広く知られたきっかけは5月初旬。散策路の管理業者で、嵐山で観光客向けの人力車を運営する「えびす屋総本店」が自社のフェイスブックで《嵐山の竹が泣いています》と書き込んだことだ。落書きが後を絶たないことから、広く訴えることにした。
18日、散策路で落書きを見たスイス人男性(21)は「欧州では公共の場でアートとして落書きを認めることはあるが、自然を傷つけてはいけない」と嘆いた。(佐藤秀男、高橋豪)