■匠の圭
錦織圭(日清食品)がやっとの思いで反攻ののろしを上げたのは4―3で迎えた第3セット第8ゲームだった。7日、ウィンブルドン選手権男子シングルス3回戦、世界ランキング19位のロベルト・バウティスタ(スペイン)戦。この試合10回目のブレークチャンスを初めてものにした瞬間だ。
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コラム「匠の圭」
この時点で、獲得した総ポイントは115ポイントずつで全く同じ。しかし、スコアは4―6、6―7と錦織は2セットを落とし、崖っぷちにいた。勝負どころでポイントを奪えるかどうかで、これだけの差がつくテニスの怖さである。
「ブレークポイントで取り切れなかったのが一番ストレスのたまる原因になった。もう少し早く取り切れていれば、リラックスして戦えたかも」。錦織は試合後に振り返った。
それでも、次のゲームをキープして第3セットを取り返し、第4セット最初のゲームもブレークに成功。波に乗るかと期待を抱かせたが、ダブルフォールト絡みで第4ゲームを失い、第6ゲームでは遅延行為で警告を受けると、主審に抗議。コート後方のネットにラケットを投げつける場面も。積もり積もったいらだちが、ついに決壊した。
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