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「殺したい強い憎しみがあった」 筧被告、夫殺害認める

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法廷での筧千佐子被告=京都地裁、絵・岩崎絵里


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京都、大阪、兵庫3府県で起きた青酸化合物による連続不審死事件の裁判員裁判が10日、京都地裁であり、殺人罪などに問われた筧(かけひ)千佐子被告(70)=京都府向日市=は被告人質問で夫の勇夫さん(当時75)にカプセルに入れた毒を飲ませ、殺したことを認めた。


筧被告、夫の毒殺認める 黙秘一転「借金返せると」


筧被告は6月26日の初公判で「すべて弁護士に任せてある」と述べ、弁護側は無罪を主張していた。この日、初めて被告本人が事件について語り、罪を認めた。


検察側の質問に対し、筧被告は約20年前まで最初の夫と大阪府内で営んでいた工場の出入り業者から、青酸を渡されたと証言。当時、Tシャツなどにプリントする仕事をしており、「失敗した際に、この薬を使えば色が落とせる」と説明されたという。


この際、筧被告は「これ(青酸)は毒だから内緒のところに置いて」と言われ、ビンに入れて自宅の「高い所に大事に隠していた」という。また、青酸について「(中身は)粉末だったと思う」とも述べた。


これまでの捜査では青酸の入手ルートや保管状況は明らかになっていなかった。法廷で筧被告は「(青酸は)生ゴミと一緒に捨てた」と証言し、時期は「覚えていない」と繰り返した。


一方、勇夫さんについて「殺したいという強い憎しみがあり、タイミングを見ていた」と振り返り、動機について「(勇夫さんが)以前交際していた女性に数千万円を渡していたのに、私は一銭ももらえず差別された」と語った。


さらに殺害方法を問われると、夫婦で飲む習慣があった健康食品のカプセルに青酸を入れたと説明したが、具体的な作製方法は「私は認知症。覚えていない」と述べた。


筧被告は約2時間にわたって検察側や裁判官の質問に答えた。死刑判決にも言及し、「今、薬を飲ませてくれれば喜んで死んでいく」と話す場面もあった。(安倍龍太郎)



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