（２４日、高校野球岩手大会 盛岡大付９―０久慈）

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強打をテーマに掲げる盛岡大付の３番植田は「鬼の集中をした」。ものすごく集中するという意味だ。

２打席凡退で迎えた六回の第３打席。２点をリードしていたが、追加点がほしい場面。「ポイントを前にしすぎて泳ぎ気味になった。入ると思わなかった」と払うように内角の直球を打って左中間席に運んだ。

さらに七回の第４打席。内角の直球を振り抜き、再び左中間への３点本塁打を放った。この２本で高校通算６０本塁打に到達。「履正社の安田に並んでこい！って仲間から言われていました」と笑った。打のチームの象徴となっている植田の２打席連続本塁打で勢いづき、六、七回で計７点を奪った。

今春の選抜で８強入りした。周囲からの重圧がかかりそうなものだが、主将の比嘉は「個性が強い選手が多いので、『県内負けなし』とか『優勝候補』とか、言われた方がやる気が出る」と言った。打線についても「みんなでつなぐとよく言いますが、僕らは『個』です。打席に立った選手が一人一人自分の打撃をする。調子のいい選手が引っ張ってくれれば、他の選手も乗ってくる」。

この試合の前半は５番松田が引っ張った。二回に二塁打で出塁し、須藤の適時打で生還。四回は左越えソロ本塁打を放った。

チームは今夏、強打に加え、春に肩を痛めてまともに投げられていなかった右腕エースの平松が戻ってきた。決勝は先発で６回を投げて１１奪三振の好投。左腕の三浦瑞が七回からの３回を１安打に抑え、２人で零封した。関口監督は「以前なら甲子園で初戦から強豪校と当たれば尻込みしていたところがあったが、今年はもしかしたら勝てるという気持ちで臨める。１試合でも多くやりたい」と手応えを口にした。（坂名信行）