参院予算委の閉会中審査で答弁のため挙手する安倍晋三首相=25日午前9時19分、仙波理撮影
25日の参院予算委員会閉会中審査で、安倍晋三首相は「加計学園」の獣医学部新設計画を「1月20日」に知ったとする24日の発言をめぐり、野党の攻勢を受けて過去の答弁を訂正するなど防戦に追われた。24日は「低姿勢」を貫いたが、この日は語気を強めて反論する場面もあった。
首相、加計申請「1月20日知った」 新たな焦点に浮上
閉会中審査のやり取り
民進党の蓮舫氏は冒頭、「いま求められているのは丁寧な口調ではない。(計画を知ったのは)1月20日ではないのではないか」と追及。首相の6月の国会での「申請を出された段階で承知した」との答弁との矛盾を突いた。加計学園は1月10日に特区での新設を申請。同20日に国家戦略特区に認定された。6月の答弁の「申請段階」は1月20日ではなく10日になる。
首相は下を向いて手元の紙に目を落とし、「正確に言えば、申請段階ではなくて『申請を決定する段階』で、それは10日後の1月20日。厳密さを欠いていた」とたどたどしく応じ、過去の答弁を訂正した。
すぐに蓮舫氏から「その答弁、無理がある」と突っ込まれると、首相は過去の答弁について「急に質問があったので混同した」と発言した。過去には複数回質問を受けていた問題であり、野党席からは「いい加減だ」などとヤジが飛ぶなど議場は騒然となった。ヤジを受け、首相は「それ以外にも何回か質問をいただいている。厳密さを欠いていた」と釈明。「おわびをしなければならない」と陳謝に追い込まれた。
共産党の小池晃氏も、首相の「1月20日」に知ったとの答弁について、「明らかな虚偽答弁だ」と厳しく追及。首相は手元の紙に目を落とし、過去2回の自らの答弁を立て続けに読み上げたのに対し、小池氏から「もういい」と遮られた。しかし、首相は小池氏の声をかき消すように語気を強め、「(2回の答弁は)違うので申し上げておきたい」と反論して答弁を続ける一幕もあった。