唐山開元自動溶接装備有限公司の工場で溶接ロボットシステムの調整を行う従業員。(牟宇撮影)
現在及び今後一定期間も、中国の発展は戦略的チャンス期にあり、変わらぬ面がいくつかある。例えば質の高い発展の促進という要請は変わらず、供給側構造改革としての主軸は変わらず、改革の深化と開放の拡大という方針も変わらない。だがチャンスと試練には共に新たな変化があるだろう。次の段階においても中国は経済構造の最適化と高度化、科学技術革新能力の向上、改革開放の全面的深化、グリーン発展の加速、世界経済ガバナンス体制の変革への関与という新たなチャンスを得る。(文:徐洪才・中国政策科学研究会経済政策委員会副主任。半月談網掲載)
■両循環の新構造構築を加速、質の高い経済・社会発展を推進
第13次五カ年計画期間、中国は内需拡大戦略を実施し、内需特に消費需要の牽引力を強化した。経済成長は投資と輸出による牽引に主に依存するものから、消費・投資・輸出の共同牽引によるものへと徐々に転換した。ここ数年では、経済成長への消費の貢献が高まり続け、投資の駆動力は年々下降している。対外貿易依存度も2008年の世界金融危機前の60%以上から、今年上半期には31.8%にまで下がった。第14次五カ年計画期間もこの発展の趨勢が続くだろう。中国は国内の大循環を主体とし、国内と国際の2つ循環が相互に促進する新たな発展構造の構築を加速する。
これと同時に、引き続き投入を拡大し、産業のデジタル化、スマート化を後押しする。市場メカニズムに頼って整備を続け、生産要素の完全な市場化と自由な移動を実現し、より整った要素の市場化配置の体制とメカニズムを構築する必要がある。中長期的なインセンティブ・メカニズムを構築することで、人的資本の価値を十分に発揮する必要がある。引き続き体制とメカニズムを整備し、改革を深め、制度面から国際基準と合わせ、さらに開放を拡大する必要がある。
■新型の都市化を推進し、投資と消費の潜在力を発揮
2019年末時点で、中国の都市部常住人口は8億4843万人で、総人口の60.6%を占めるが、先進国の平均である80%とはまだ大きな隔たりがある。過去10年間、中国の都市化率は毎年約1ポイント上昇してきた。このスピードでいけば、2035年には75%の水準に達し、先進国に近づき、新型の都市化という任務をほぼ完了する。近く始まる第14次五カ年計画期間には、新型の都市化が依然として経済成長牽引の重要なエンジンとなり、内需拡大の重要分野にもなると見られる。
第14次五カ年計画が近く始動する。次の段階においては質の高い経済発展の推進、国民の幸福の増進、リスクの防止と解消などをめぐり、重要な政策を研究し、打ち出す必要がある。発展の内生的原動力の強化、市場の活力の喚起をめぐり、重要な改革開放措置を研究し、打ち出す必要がある。弱点分野の補強、高度化の促進、長期的推進力の強化、民生改善をめぐり、重要なプロジェクトを研究し、打ち出す必要がある。社会の力の発揮を一層重視し、インフラ水準の向上に力を入れる必要がある。産業の革新力と競争力を強化し、生態環境の改善を促進し、人民大衆の生活水準を向上させる必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年10月19日