高畑充希主演の「過保護のカホコ」
7月スタートの夏ドラマは、奇抜な演出でぐいぐい押していく個性派が目立つ一方で、王道の群像劇や恋愛ものもそろった。放送担当の記者6人がお薦めの作品を中心に語り合ったが、賛否がはっきり分かれた。
小峰 最多得票の「過保護のカホコ」は、2人が1位にした一方、2人が5位にも入れていない。
山下 私は声を出して笑った。誰もが心当たりがある親子関係が描かれ、すべてのエピソードに手抜きがない。過剰な演出や演技だけど、違和感なく見られた。
滝沢 カホコ役の高畑充希がいい。車で送ってもらう場面でずっと母親を見ている目線の使い方など、過保護の雰囲気を捉えている。
尾崎 自己中心的な登場人物ばかりで受け付けないなあ。好きと苦手がはっきりするドラマと思う。
湊 「主体性がない方がかわいい」というのは女の子を育てる時に起こりがちだと思うけど、そうなってしまう社会的背景を描いていないのが引っかかった。
小峰 「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」は、1位に挙げた人はいないものの、全体としては僅差(きんさ)の2位となった。
尾崎 登場人物がキラキラしている群像劇。ほのかな恋もある。これぞ夏の月9(ゲツク)!
山下 苦戦している枠だけに、視聴率を取りに来た?と思っていたけど、作品に力があり、すんなり入っていけた。キャラが立ちすぎるドラマが多い中、「こういう人いるいる」というレベルで個性を際立たせる俳優はすごい。
野村 シリーズが好きだったので、続編がまずうれしい。病院と救命現場の場面が大半で緊張感がある。1時間があっという間。
滝沢 リアルな医療現場を描くといいながら、美男美女ばかり(笑)。ただ、実はこういう群像劇が月9の王道と言われると、なるほどと納得感がある。
小峰 近年「相棒」などテレ朝のシリーズ路線が高視聴率を維持しているが、月9でこれ以上失敗したくないフジも安全パイできたかと思ってしまった。よくできているけど、攻めているドラマを買いたいな。