東海大菅生―早稲田実 九回表東海大菅生1死一塁、松井のゴロを一塁手清宮③が悪送球。ベースカバーは投手雪山①=神宮、林敏行撮影
(30日、高校野球西東京大会 東海大菅生6-2早稲田実)
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守りのミスが、早稲田実を甲子園から遠ざけた。
1―1の五回2死一塁。相手打者の打球は三塁線へ。捕った三塁手の生沼(おいぬま)は一塁へ低い送球をした。2バウンド目で一塁手の清宮へ。体を伸ばして捕ろうとしたが、はじいて後ろにそらしてしまった。
「ボールがはねて、グラブの土手に当ててしまった」と清宮。一塁走者が一気に生還し、勝ち越される。さらに長短打で2点を奪われた。記録は三塁手の失策だが、「生沼のせいではない」。清宮は1年生をかばい、捕球できなかった自らを悔やんだ。
九回にも再び、守備が乱れた。1死一塁で、ゴロを捕った清宮が一塁へ悪送球。これをきっかけに重い2点を失った。
昨秋の公式戦は11試合で計107点、今春は10試合で102点と打ってきたチームだが、最後の最後に、守りのミスを取り返せなかった。九回2死、福本の打球が中堅手のグラブに収まるところを見届けた清宮は、「終わっちゃったな」。寂しそうな顔でバックネット裏を見上げながら、整列に加わった。
入学して間もない2015年4月18日、関東一戦で中越え本塁打を放ったのが清宮の1本目だった。打つごとに周囲から期待され、それに応えてきた。早稲田実で積み重ねた本数は107本で終わった。
清宮は、9月にカナダであるU18(18歳以下)ワールドカップの日本代表候補となっている。選ばれれば、「ジャパン・清宮」が新たな一歩となる。(坂名信行)