千葉県印西市の老人ホームで准看護師が睡眠導入剤を混ぜた飲み物を女性職員(当時60)に飲ませて交通事故死させたとされる事件で、殺人容疑で逮捕された波田野愛子容疑者(71)が事故の直前、眠気を訴えるなどして施設で仮眠していた女性職員を起こし、早く帰宅するよう促していたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。
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捜査関係者によると、女性職員は2月5日、施設で眠気とめまいの症状を訴え、車で施設を出た直後に物損事故を起こしたため、戻って仮眠を取っていた。波田野容疑者は約1時間後に寝ていた女性職員を起こして、再び車で帰宅するよう促し、駐車場まで付き添って見送ったという。女性職員はこの後、施設から約1キロ先の直線道路でセンターラインを越え、対向車と正面衝突して死亡した。
一方、施設の関係者によると、波田野容疑者は女性職員について「しっかりしなさいと声をかけた。顔を2回たたいて帰宅させた」と同僚らに話していたという。
県警は、波田野容疑者に「女性職員が再び事故を起こして死亡するかも知れない」という未必の殺意があったとみている。
県警は3日、波田野容疑者が女性職員が車で帰宅する前に睡眠導入剤を混ぜた飲み物を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害したなどとして、殺人容疑で送検した。捜査関係者によると、波田野容疑者は睡眠導入剤を飲ませたことを認めた上で、殺意は否認しているという。