フィギュアスケート教室で子どもにスピンを教える羽生結弦
フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)が16日、横浜市内でエキシビションとスケート教室を行い、子どもたちに「転ぶの好きな子、手を挙げて。転んでもいいよ。いっぱい転んでOK! 僕らもたくさんたくさん転んでいます」と声をかけた。
フィギュア特集 Kiss and Cry
会場となった横浜銀行アイスアリーナは、2011年の東日本大震災で拠点とする仙台市のリンクが使えなくなった際に、かつての恩師、都築章一郎コーチを頼って練習を積むことができた場所。そんな自分を助けてくれたリンクの関係者らの前で震災後に使ったエキシビションを披露し、4回転トーループやトリプルアクセル(3回転半)ジャンプを決めた。
羽生は、「僕は震災のときにここのリンクを借りて何とかスケートを続けることができました。少しでもみなさんが幸せになれるようにと思いながら、やらせていただきました。みんなの温かいパワーを胸にオリンピック、そして今シーズン全体を頑張っていきたい」と感謝を言葉にした。
スケート教室では約70人の子どもと交流した羽生は、「スケートはいっぱい転ぶ。たくさん転べば転ぶほど、うまくなるから。思い切ってやろう」「ただ失敗するだけじゃなくて、どうして失敗しちゃったのかなーって、失敗しないような工夫を考えよう。そうしたら絶対うまくなれます。がんばってね」などと励ました。最後は「いつか一緒に試合できるのを楽しみにしています。それまでおっさんも頑張るよ」と笑いを誘った。
エキシビションと教室は横浜市神奈川区の区制90周年のイベントの一環だった。都築コーチは「五輪シーズンで大変なところ。私とここで一緒に過ごした時期への感謝の気持ちがあり、それで今日の自分がいると感じてくれているようでした」と教え子の義理堅さに感激していた。この催しには821通2600人が応募し、子ども150人とその保護者150人が9倍の倍率の中で当選してエキシビションを観覧。そのうちの約半分の子どもが教室に参加した。