道路側にニセアカシアなどが枝を伸ばし、伐採が予定されている中央分離帯=愛知県みよし市
名古屋市天白区と愛知県豊田市をつなぐ豊田西バイパス(13キロ、国道153号)の中央分離帯には、森のように木々が生い茂った場所がいくつもある。分離帯が広く、外来種のニセアカシアなどが次々と生えてくるのだ。ただ、成長し過ぎて車の通行に支障を来してきたため、国土交通省名古屋国道事務所は7月から伐採作業を始めた。
愛知県日進市藤塚で7月31日に、バイパスの中央分離帯に生えた二十数本のシンジュが重機で取り除かれた。樹齢は4年ほどだが、高さは7、8メートルあり、重量は計1・5トン。片側2車線のうち1車線を約100メートルにわたって閉鎖し、朝から7時間かけて作業をした。このほか7月26、27日にも市内の別の分離帯で計約2トンのシンジュやニセアカシアが伐採された。
名古屋市東区と長野県塩尻市を結ぶ国道153号のうち、豊田西バイパスは2006年度に4車線で完成した。6車線分の用地を確保しており、中央分離帯が広い構造になっている。ここに雑草だけでなく、様々な木が生えてくる。
名古屋国道事務所が、日進市―みよし市間で調べたところ、ニセアカシアとシンジュが目立った。これらは生態系に被害を及ぼす恐れがあるとして国が「生態系被害防止外来種リスト」に掲載している。センダンやナンキンハゼも多く、一部でピラカンサとクワ、クロマツもあった。
「外来種リスト」のものも含めたこれらの樹木は街路樹や生け垣、庭木として用いられ、実を鳥が食べ、そのふんから芽を出すなどして広がったらしい。作業を請け負っているヤハギ緑化(名古屋市)の担当者によると、いずれも劣悪な環境でも成長しやすい樹種だという。「分離帯という場所は、数十種類が生えている森に比べ、他の木との競合が少なく、日照にも恵まれているので3、4年でたくましく育ってしまう」
とりわけニセアカシアは伐採しても切り株から再び芽が出てくるので、いたちごっこの状態だ。
国道事務所は、街路樹の剪定(…