12月14日に発売されるマツダの新型車CX―8=東京都港区
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走るよろこびも、大人数で乗れる楽しさも追求する――。そんな「いいとこ取り」の車を求めてマツダが出した答えが3列シートのSUV(スポーツ用多目的車)だ。14日、東京都内であった発表会に新型車「CX―8」を見に行った。
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マツダ、3列シートSUVを発表 低燃費ディーゼル搭載
発表会の冒頭、会場に並んだ4台のCX―8から一斉にベールがはがされた。続いてあいさつした小飼雅道社長は「ミニバンに代わる新たな市場の創造に挑戦する」と自信ありげに宣言した。
外観を見た感想は「思ったよりもでかくない」だった。マツダの「魂動」デザインが存分にいかされている。だから、車内が狭いのではないかと心配になった。
「身長170センチでも無理なく快適に過ごせる」という3列目に座ってみる。実際には前列のシートの下に足が入れられるスペースがあり、身長171センチの記者にとっても窮屈ではなかった。
後列に行くほどシートが徐々に高くなっていて開放感がある。ミニバンの3列目に座ると感じる、1列目、2列目と隔離されたような寂しさや孤独感が和らいでいる。
この日は試乗はなかったので、「普段通りの声で1列目から3列目までがコミュニケーションできる」という静粛性は体感できなかったが、会話も容易なら子どもが3列目を嫌がることも減るのではないだろうか。
「いいとこ取り」の新型SUVの実力のほどは、出力やトルクを向上させつつ燃費も改善したというクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV―D2.2」の性能など、実際に走らせてみなければ分からないことも多い。ただ、ミニバンを購入する際に、牙を抜かれたような寂しさを感じる「お父さん、お母さん」にとって気になる一台であることは間違いない。一度試乗してみたい。そう思える発表会だった。(神沢和敬)