自動ブレーキ機能が働き、障害物の壁の前で止まった軽乗用車=大阪府八尾市
高齢ドライバーらの事故を減らそうと、自動ブレーキやペダルの踏み間違いによる急発進を防ぐ機能を搭載した「安全運転サポート車」(愛称・サポカーS)の普及を後押しする活動に警察が力を入れている。秋の全国交通安全運動(21~30日)に合わせ、運転に不安を抱える高齢者らの免許の自主返納の奨励とともに、啓発活動に取り組んでいる。
大阪府八尾市で16日に府警などが開いた試乗会。高齢者ら約30人が自動車販売会社の担当者から機能についての説明を受け、助手席で試乗した。車が約10メートル先の壁に近づくと、「ピピピ……」と危険を知らせる電子音。同市の山本武幸さん(70)が「ぶつかる」と身構えた瞬間、車は自動ブレーキ機能で壁の約1メートル手前で止まった。
毎週、軽乗用車を運転して、家族を市外の病院へ送り迎えする山本さん。「今の生活には車が必要。手助けしてくれる機能があるのは安心できる」と話した。
警察庁は4月に全国の警察に普及啓発の取り組みを進めるよう通達。大阪府警は9月、安全教育を担う警察官約100人に向けた講習会を開き、販売会社から説明を受けて実際に試乗した。秋の運動期間の前後には、府内約10カ所で高齢者らを対象にした試乗会を開く予定だ。また、国は高齢ドライバー向けに、安全機能を搭載した車に限り運転を認める「限定免許」の導入も検討している。
経済産業省によると、2015…