本塁打を放つオリックスのマレーロ=長沢幹城撮影
プロ野球オリックスは5試合を残して4位が確定している。最下位だった去年より順位は上がったが、クライマックスシリーズに進出可能な3位に10ゲーム以上離されたまま、3年連続Bクラスが決まった。来季、浮上につなげるためには打線のつながりが必要になりそうだ。
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1日のソフトバンク戦の二回に、今季を象徴する場面があった。
無死満塁。犠飛でも1点が入るところで、後続が一ゴロ本塁封殺、二飛、二ゴロ。1点も奪えなかった。下山打撃コーチは「状況に応じた打撃が大事なのに、今季は分かっていて、それができていない」。得点圏打率は昨季より低い。点をとれるところで取りきれず、得点は首位ソフトバンクと104の差が開いた。
今季は5月4日までは2位につけていた。ただ主砲のロメロを故障で欠いたこともあって以降は低迷し、5月は球団月間最多敗戦記録に並ぶ19敗。5月14日に4位に転落すると、一度も浮上できなかった。
長打力を見込んで獲得したロメロが26本塁打と期待通りに活躍。また途中からはマレーロが加わって20本塁打。7月には2年目の吉田正が戻って12本塁打を放った。T―岡田も7年ぶりに30本に乗せ、チーム本塁打数は昨季より大きく増えた。
ところが得点力の大幅アップにはつながらなかった。ソロ本塁打の割合がパ6球団で最多。得点圏打率の低さとあわせ、走者をためての長打など相手にダメージを与える攻撃が少なかった。福良監督は「あと一本というところですよね。課題ですね」とよく口にした。下山コーチは「走者を進めて、重圧を与えながら得点力をあげるのが大事」と話す。
来季につなげたい試合もあった。最大5点差を逆転したソフトバンク戦(9月30日)だ。内野ゴロの間の得点や押し出し四球、そして適時打と、走者を確実に進めて得点を重ねた。この試合5打点の吉田正は「全部適時打でなくても点は入る。本塁打なしでの5打点は価値がある」。
防御率が改善されるなど投手陣は底上げされた。だからこそ打者陣の成熟がチームの進化のために必要だ。(藤田絢子)
■昨季と今季のオリックスの打撃成績
※各項目は昨季→今季。今季は10月1日現在
〈本塁打〉 84→125
〈得点〉 499→530
〈打率〉 .253→.253
〈得点圏打率〉 .258→.254