今季最終戦の楽天戦に勝利し、チームメートとタッチを交わす大谷(右から2人目)=福留庸友撮影
プロ野球パ・リーグは公式戦を終えた。日本ハムの最終戦は9日、仙台。今季限りで大リーグへ挑戦する意思を固めている大谷にとっては、故郷・岩手も近い。3番・指名打者として4度打席に立った背番号11へ、日本ハムファンはもちろん、楽天ファンからも大きな歓声と拍手が寄せられた。
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「4番・投手」として今季初完封を果たした4日の試合の疲れがまだ残っていたのか、9日の大谷は、4打席とも凡退した。見逃し三振が二つに、左飛と遊ゴロ。安打が出たら交代と、決めていた栗山監督も「最後、ホームランを打つと思っていたのに、全然打たない。かっこよく終わるべきだろ」と苦笑いした。
大谷にとってプロ5年目の2017年は、ケガとの戦いだった。昨秋に痛めた右足首の影響で、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は辞退。打者だけに絞って開幕を迎えたが、4月8日のオリックス戦(京セラ)で左太もも裏の肉離れを発症した。大谷は「思い通りにいかないこともあったけど、すごく貴重なシーズン。いいこと、よくないこと、いろいろ経験できた」と総括する。
7月10日、大谷が肉離れを発症した京セラドームに、復帰後初めて遠征したときだ。栗山監督は、ズボンのポケットに少しばかりの塩を忍ばせ、打撃練習後、バッターボックスにそっとまいた。「そのくらいのことしかできないじゃん。何も起こりませんようにって」。以降、大谷はケガで離脱することなく、シーズンを乗り切った。
大谷は近く、昨秋痛めた右足首を手術する。移籍に備え、代理人の選定も進めている。試合後、報道陣から大リーグ挑戦について聞かれると「いま、ここで言うことではないと思います」。ただ、大リーグへの思いを聞かれると、言った。「目標というか、あこがれみたいなものはあります」(山下弘展)