六回裏DeNA2死満塁、倉本は適時内野安打を放ち、一塁に滑り込む。一塁手内川=上田潤撮影
(31日、日本シリーズ第3戦 ソフトバンク3―2DeNA)
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DeNAのラミレス監督の目は真っ赤に充血していた。「チャンスはあったけど、得点できなかった。明日は開き直って、早いカウントからストライクを振ることに尽きる」。淡々と言葉をつないだが、その口調に悔しさがにじみ出た。
2連敗で戻った本拠で、攻めるチャンスはいくらでもあった。
四回はロペスの本塁打で2点差に迫り、さらに1死満塁の絶好機を築いて打席には柴田。だが、二飛を打ち上げ、追加点を奪えなかった。
六回は2死満塁から倉本の内野安打で1点差に迫る。なおも満塁で、桑原は右飛に倒れた。いまだシリーズで無安打の1番打者は「これが結果だから仕方ない」とうつむいた。
一回には四球で出た桑原、梶谷が2連続で盗塁を失敗する拙攻もあった。相手に並ぶ7安打を放ち、計七つの四死球も得たが、これだけ好機を潰してはパの王者には勝てない。
「明日の試合だけに集中し、強い戦いをしたい」とラミレス監督は言った。過去、日本シリーズに出場した大洋時代の1960年、横浜時代の98年はいずれも本拠で負けなしで、計5戦5勝だった。3度目のシリーズで不敗神話も崩れ、DeNAが追い込まれた。(波戸健一)
●ラミレス監督(D) 「僅差(きんさ)のゲームだったが、3試合連続で一回に失点したのがキーポイントになった。ロペスの本塁打で勢いが来たと思ったが、その後(の好機)に点を取れなかった。(盗塁失敗は)積極的な攻撃で流れに乗りたかった。でも、できなかった」
●筒香(D) 3連敗で後がなくなり、「シンプルに、もう勝つ以外ない。やるしかない」。
●井納(D) 第1戦に先発した右腕。この日は八回に救援し、無失点。「自分自身、リベンジしたい気持ちが強かった」
●ロペス(D) 四回にソロを放つも勝利に結びつかず。「自分のスイングでとらえられた。もう負けられないので力を出し切りたい」
●梶谷(D) 一回2死一塁から二盗を試みたが、アウト。「スタートは悪くなかったけど、歩数が合わずにスライディングで減速してしまった」