様々なタイプの加湿器が並ぶ東急ハンズ梅田店の特設コーナー=大阪市北区
空気の乾燥が気になる季節となりました。雑貨店や家電量販店には、加湿器の販売コーナーが目立ち始めています。見た目や香りを楽しめるタイプに加え、機能の高い商品が人気です。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
東急ハンズ梅田店(大阪市)では、朝夕の気温がぐっと下がり始めた10月初旬、加湿器の特設コーナーができた。特設は昨年に続く設置となった。最近はインテリア自体としても違和感がないものや、水にアロマオイルを足して香りを楽しめるタイプが人気だ。
店員の林愛里さんは「手入れが楽で、衛生面にも配慮した少し高価な商品も売れている」と話す。
加湿器は、2009年の新型インフルエンザの流行以降、空気清浄機が売れた影響で販売数が伸び悩んだ。しかし近年、高い機能を備えた商品が相次いで売られ、盛り返している。
調査会社GfKジャパンによると、16年度の家電量販店における加湿器の販売数は、前年度より9%増えた。最近は2万円以上の高価格の商品が伸びていて、加湿器全体の8%を占めるという。
ヨドバシカメラマルチメディア梅田(同)では、衛生面に優れた高価な加湿器が売れ筋だ。水を除菌したうえで蒸気を出し、空気をきれいに保つ機能がつく。幼い子どもを抱える家族の購入が目立つという。「潤いある空気への関心が年々強まっている」と店員の芳沢拓矢さんは感じている。
加湿器はもともと冬場の売り上げが中心で、メーカーの生産も秋に集中する。冬本番となれば品薄状態も予想されることから、販売時期が早まる傾向にある。家電大手の象印マホービンは、加湿器の今季の生産数を昨年より10%増やす計画だ。(神山純一)
■部屋の湿度 センサー検知
象印マホービンの「EE―RM50」は、電気ポットと同じ構造で湯を沸かして蒸気を出す「スチーム式」を採用。水を入れてボタンを押すだけで使え、手入れしやすいのも売りだ。部屋の湿度状態をセンサーで検知したり、加湿を3段階で調節したりできる。想定価格は1万5千円前後。
■アロマの香り 楽しんで
良品計画の「MJ―AUH1」は、タンクの水を超音波で振動させて霧状にして出すしくみだ。床がぬれにくいように、噴き出し口を高くしている。アロマオイルを入れて、いろんな香りを楽しむこともできる。ベッドや机の脇などに置くのに適したサイズの商品だ。価格は7399円。
■キュートでタフなしずく
アピックスインターナショナルの「AHD-017」は、水のしずくをイメージした。インテリアとしても楽しめ、購入者の7割が女性という。水を振動させて蒸気を出すしくみで、最長10時間使える。内蔵のLEDランプがタンクを照らし、水の揺らぎや水量がわかる。想定価格は5480円。
■微粒子イオンですっきり
パナソニックの「FE―KXP07」は、微粒子イオンの「ナノイー」を出すことで空気を浄化するのが特徴だ。噴射させるファンを高速回転させ、すばやく加湿できる。のどや肌の乾燥が気になる人には高めに湿度を設定することもでき、水の除菌機能もつく。想定価格は3万円前後。
◇
主なメーカーの人気商品から選びました。価格は税抜き
■ヨドバシカメラマルチメディア梅田の売れ筋ベスト10
①EE―RM50(象印マホービン) 1万5530円
②FE―KXP07(パナソニック) 2万9120円
③EE―RM35(象印マホービン) 1万3370円
④HFT―1621(スリーアップ) 2770円
⑤HV―G50(シャープ) 1万9980円
⑥FE―KXP05(パナソニック) 2万7640円
⑦HV―G30(シャープ) 1万7520円
⑧HV―G70(シャープ) 2万3040円
⑨SRD―701(siroca) 5370円
⑩AHD―017(アピックスインターナショナル)5910円
※同店が9月1日~10月19日に売り上げた台数。税込み店頭価格(きりとりトレンド)