ヘリが墜落した現場(8日午後2時46分、群馬県上野村乙母、住民提供)
群馬県上野村で8日午後2時半ごろ、東邦航空(東京都江東区)所有のヘリコプターが墜落し、乗員4人が死亡した。ヘリは物資の輸送業務を終え、山梨県早川町から同社の格納庫がある栃木県内のヘリポートに向かう途中だった。国の運輸安全委員会は航空事故調査官を現地に派遣した。2007年と11年にも同社のヘリが墜落し、乗員が死亡する事故が起きている。
群馬・上野村でヘリコプター墜落、4人死亡 付近で停電
「ドカーン」家が震えるほどの音 群馬・ヘリ墜落事故
東邦航空によると、搭乗していたのは、機長の北川一郎さん(60)と、いずれも整備士の杉山勝彦さん(50)、瀧澤俊太(としひろ)さん(27)、池田裕太さん(22)の計4人。群馬県警は死亡したのはこの4人の可能性があるとみて、遺体の身元を調べている。
東邦航空は8日夕、都内で記者会見を開いた。ヘリはこの日、送電線の鉄塔工事に使う鉄材などをつり下げて運ぶ作業を二十数回繰り返した。機体は約30年間使っているが、今年5月に年1回の定期検査をした際は異常はなかったという。
同社運航部の社員は「事故原因はわからない」とした上で、墜落前に高度を下げて旋回していたという目撃情報などから、「機体に何らかの不具合があり、大事に至る前に予防着陸を試みたということは十分ありえる」と話した。
機長の北川さんは飛行時間が1万時間を超えるベテランで十分すぎるほどの経験があったといい、「おおらかな性格で、後輩からの人望も厚い人」と話した。搭乗していた4人の家族のもとに社員を派遣し、個別に対応しているという。
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