岐阜県中津川市の廃屋で昨年11月、男性の遺体が見つかった事件で、男性名義の口座を開設した詐欺容疑で逮捕された名古屋市西区の無職田中幸治容疑者(50)が、男性と自殺サイトでやりとりをしていたことが捜査関係者への取材でわかった。県警は2人が知り合った経緯などを詳しく調べている。
遺体は東京都足立区の元タクシー運転手金田浩一さん(行方不明時42)。田中容疑者は逮捕容疑を否認している。
県警によると、金田さんの家族は2010年10月、警視庁南千住署に行方不明届を提出。「行方不明になる直前、自殺サイトで知り合った人に会いに行くと言っていた」と話しているという。
捜査関係者によると、田中容疑者と金田さんは、金田さんが行方不明になる前に同じ自殺サイトにアクセスし、やりとりをした形跡があった。金田さんには多額の借金があったといい、県警は金田さんが自殺サイトへアクセスする理由になっていた可能性もあるとみている。
田中容疑者は昨年11月、「約1年前に廃屋で死体らしきものを見た」などとして金田さんの遺体発見を交番に届け出た。廃屋からは白骨化した遺体が入った布団袋が見つかった。
捜査関係者によると、袋の内部には有毒ガスの硫化水素を発生させた形跡もあるという。遺体発見時、田中容疑者は「遺体が誰なのか知らない」と説明していたが、現在は「(金田さんの)名前は知っている」と供述しているという。