男子500メートルBクラスで34秒84の好タイムを出した村上右磨(村上電気)
スピードスケートの今季ワールドカップ(W杯)第2戦スタバンゲル大会は17日、ノルウェー・スタバンゲルで開幕。格下のBクラスの男子500メートルで村上右磨(村上電気)が自己ベストを更新する34秒84で1位となった。
◇
村上の世界戦は、ここスタバンゲルから始まった。2016年1月、W杯に初出場し、500メートルで35秒39をマークした。「あの時はいい滑りができたイメージがある。今回、ここで34秒台を出せれば上げていけそうな気がする」。浮上のきっかけを求めていた。
今季は調子が上がらず、タイムも低迷した。10月の国内開幕戦、全日本距離別はトップと0秒23差の6位。当初はW杯派遣メンバーから外れた。上位選手の辞退で巡ってきたW杯。今季たった一度の舞台に25歳はかけた。
100メートルをトップの9秒55で通過。持ち前のパワーで楽にスピードに乗り、余った力を終盤に使えるのが村上の武器だ。34秒84。自己ベストを更新するタイムに「練習の感じがようやくレースに出せた」。
所属は父が経営する電気の保守管理会社「村上電気」。スケート経験のない父と二人三脚で競技に取り組んできた。昨季の全日本距離別で初優勝。35秒32の自己ベストは昨季34秒96まで伸びた。そして今季はさらに0秒12縮まった。
村上は言う。「今の記録をさらに伸ばしていければ五輪のメダルも見えてくる」。思い出の地で手応えをつかんだ。(榊原一生)