ノルウェーで展示される長崎の被爆資料=17日午前、広島市中区の広島平和記念資料館、上田幸一撮影
来月10日にノルウェー・オスロである国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)へのノーベル平和賞授賞式に合わせ、現地のノーベル平和センター内に広島・長崎原爆の被爆資料が展示されることになった。「核兵器の非人道性」を改めて広く伝えるのが狙いという。
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センターには歴代のノーベル平和賞にまつわる資料が展示されてきた。ICANの活動を紹介する資料とともに、来年11月20日まで展示される予定という。
資料は、かばんや防空頭巾、ロザリオ、腕時計、弁当箱で、広島平和記念資料館(広島)と長崎原爆資料館(長崎)、立命館大国際平和ミュージアム(京都)から貸し出される。
うち、かばんと防空頭巾は、広島原爆の爆心地から500メートルで被爆した舛田幸利さんのもので、父親の耀夫(てるお)さんが寄贈した。市立造船工業学校(現・市立広島商業高)1年生だった幸利さんは建物疎開の作業中に被爆。遺体は見つからず、近所の人が届けたかばんと防空頭巾が遺品となったという。幸利さんの弟益実さんは「兄も喜んでいると思う。広島の人間として、二度とこのようなことは起こってほしくない」とのコメントを寄せた。
長崎のロザリオは、爆心地から…