梅田ロフトのノート売り場。学習用だけでなく、社会人向けのノートも並ぶ=大阪市北区
予定や会議内容を書きとめたり、アイデアをふくらませたりと、仕事上の「相棒」とも言えるノート。学生向けに交じり、社会人が使いやすいような商品が次々と売り出されています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
梅田ロフト(大阪市)は、ノート売り場の目立つ場所に「実用ノート」のコーナーを設けている。書き心地がいい紙質、立ちながらでも書きやすい厚めの表紙、色を抑えたデザイン……。社会人向けに開発されたノートの種類は増えるばかりだ。ロフトの水口雄太マネージャーは「書類を入れられるカバー付きや枚数が多いものも人気です」。
パソコンやタブレット端末の普及でデジタル化が進むなか、矢野経済研究所の調査では、2016年度のノート市場は前年度からほぼ横ばいの236億円だった。封筒などは低迷するが、ノートや手帳が市場を下支えしている格好だ。
リーマン・ショック後、経営環境の悪化で企業が備品を減らした。ノートメーカーにも厳しい時期だったが、逆に「自費で買ってもいいと思えるような付加価値の高い商品を」(最大手のコクヨ)と、大人が仕事でも使える個性的なノートが相次いで登場した。コクヨはその名の通り「大人キャンパス」を15年に発売。落ち着いた表紙のデザインなどが人気を呼んだ。ナカバヤシも高級感ある表紙の「ロジカル・プライムノート」を16年に売り出した。
学習用ノートは横書きの罫線(けいせん)が主流だが、社会人向けは方眼や無地モノが支持を集める。文字だけでなく、図やイラストが描きやすいノートも目立ち、1ページに無地と罫線が半分ずつあるものも。仕事で近年、発想力や企画力が重視されてきたことの影響がありそうだ。(新宅あゆみ)
丈夫な紙に金色ロゴ入り
ナカバヤシの「ロジカル・プライムノート」は、丈夫なクラフトボール紙に金色のロゴを入れた表紙が特徴だ。7mm間隔で横線が引かれたA罫(けい)、6mm間隔のB罫、方眼罫、等間隔に点が振られたタイプの計4種類がある。人気がある「セミB5サイズ・糸綴(と)じ製本仕様・ロジカルB罫」は220円。
点つなげばページ分割
マルマンの「ニーモシネ」の「A5ノート 特殊メモリ入7ミリ罫」は、横書きの罫線に工夫が加えられている。最上部と最下部の線にそれぞれ三つの点が等間隔で振られていて、上下の点をつなげればページを分割できる。日付やタイトルの記入欄も広めだ。A5サイズは80枚入りで450円。
左は無地 右は横書き罫線
アピカの「フィグラーレ intellect(インテレクト) コンセプトフローノート アイデア」は、ページの左側が無地のスペースで、右側は横書きの罫線をつけた独特のデザインだ。左に図表を描いて、右に説明文やメモをつけやすいようにした。A5サイズは70枚入りで400円。
薄い罫線 図描きやすい
コクヨの「大人キャンパス」は、横書きの罫線が両端まで引かれている。線の色自体が薄く、図などを描く際も気になりにくい。罫線に点を等間隔で振ったタイプ、方眼罫、無地の計3種類。表紙は黒や紺、グレーの落ち着いた3色がある。売れ筋の「セミB5・5ミリ方眼罫」は200円。
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各メーカーのおすすめ商品から選びました。価格は税抜き
社会人向けノートの人気ランキング
①MDノート A5・無罫 800円
②エディターズシリーズ365デイズノート A5 1800円
③大人キャンパス セミB5・5ミリ方眼罫・80枚 390円
④ソフトリングノート セミB5・ドット入り罫線・80枚 550円
⑤プレミアムC.D.ノートブック A5・7ミリ罫 900円
※梅田ロフトの1月の販売実績から。税抜き価格(きりとりトレンド)