受信料の使い道
支払わなければならないとされるNHK受信料。半世紀以上にわたって支払い義務の根拠となってきた放送法の規定をめぐり、最高裁が来月6日に合憲かどうかの判断を初めて示します。
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この夏、東京都内のマンションに引っ越し、新婚生活を始めてまもないころだった。会社員の女性(27)が夫と新居でくつろいでいた夕方、呼び鈴がなった。相手はNHKの男性スタッフで、受信料契約を求めに来たと言う。「何で新しい家がわかったんだろう」。驚きつつも、「払うものなのかな」と夫婦で話し、その場で契約した。
女性は結婚前まで実家で暮らし、夫は社宅。ともに受信料契約は初めてだ。共働きで、テレビを見るのは帰宅後の数時間。バラエティーやドラマなど民放中心で、NHKはほとんど見ない。「ニュースは通勤時にスマホでチェック。朝ドラも大河ドラマも放送時間に家にいないことが多い」
震災報道に力を入れているイメージはあるが、3月11日が近づくと民放でも特集や番組を放送していて、大きな差はないのでは、とも感じる。「何で見ていないNHKに受信料を払わなければいけないんだろう」。年間契約の口座振替で一月あたり1166円。疑問はいまも残っている。
受信契約件数は昨年度、約4千万件。集められた受信料はNHKの事業に使われる。
使い道をわかりやすく示すため、月額1310円(振込用紙で振り込む場合。昨年度決算)の内訳に換算するとこうだ。番組制作と送出の経費1057円(80・7%)▽受信料収納経費142円(10・8%)▽全国放送局維持管理費や運営費68円(5・2%)▽スーパーハイビジョンの普及や新たな放送技術の研究費43円(3・3%)。
各番組にいくらかけているのか…