神明の藤尾益雄社長。「和食をもっと国内外に広めたい」と話し、外食店の展開などを加速させたいという=21日、神戸市の本社、高木真也撮影
回転ずしチェーン大手2社の経営統合を主導する米卸最大手の神明(しんめい、神戸市)の藤尾益雄社長は21日、朝日新聞の取材に、2社の店舗数を5年程度でほぼ倍増させ、1500店規模にする考えを明らかにした。「圧倒的な(業界)ナンバーワンにする」と語り、海外を中心に出店を加速させる。
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回転ずし最大手の「スシロー」を運営するスシローグローバルホールディングス(大阪府吹田市)の筆頭株主になった神明は、子会社で業界5位の元気寿司(宇都宮市)とスシローの統合に向けた協議を進めている。実現すれば、売上高は2千億円前後とふくらみ、2位のくらコーポレーション(堺市)の1200億円前後を一気に引き離せる。
9月末時点の店舗数はスシローが483(うち海外7)、元気寿司が319(同167)の計802。藤尾社長は統合を見据え、アジアを中心に出店を強化。欧米でも、元気寿司が持つ、注文したすしがレーンで運ばれてくる「回転しない」店を活用するなどして、市場の開拓にも取り組むという。足元では日本のコメを使っている海外店は少ないが、順次、切り替えを促す考えだ。
また、神明が49%出資している、キノコ生産大手の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)の再上場を2020年秋ごろに、神明自体の上場を21年末に目指す考えも示した。神明は、17年3月期で1824億円の売上高を上場時には4千億円規模にしたいという。(伊沢友之)