関西電力の岩根茂樹社長は23日、福井県庁で西川一誠知事と面談し、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、来年中に県外での計画地点を示す考えを明らかにした。西川知事は、中間貯蔵施設の県外立地の具体的な進展を、大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働の前提条件として強く求めていた。西川知事は岩根社長の回答を「理解します」と評価。26日にも世耕弘成・経済産業相と面談し、週明けにも再稼働同意を表明する見通しとなった。
中間貯蔵施設について、関電は一昨年11月、「使用済み燃料対策推進計画」を発表。2020年ごろに福井県外で計画地点を確定し、30年ごろに操業を開始するとしていた。
岩根社長は西川知事に対し、「来年には具体的な計画地点を示す所存だ」と明言。計画に変更はないとし、「できるだけ早期に実現するよう取り組んでいく」と述べた。
岩根社長は報道陣に対し、交渉状況については「相手のあること」と具体的な計画地名は挙げず、「私自身の、会社としての強い覚悟だ」と強調。「公表にあたっては関係者の了解を得る」と述べた。
関電は大飯3号機を来年1月、4号機を同3月に再稼働させる計画だ。すでにおおい町の町議会と町長、福井県議会は再稼働に同意している。
大飯3、4号機をめぐっては、11年の東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故後、翌12年7月に国内の原発で初めて再稼働し、13年9月に定期検査で停止した。
一方、福井地裁が14年5月、地震の揺れに対する想定が楽観的などとして運転差し止めを命じる判決を出した。関電側が控訴して判決が確定していないため、関電は2基の再稼働に向けて準備を進めてきた。