米航空宇宙局長官への就任が承認されたジェームズ・ブライデンスタイン下院議員(同議員の公式ウェブサイトから)
米連邦議会上院は19日、トランプ米大統領による指名から8カ月たなざらしになっていた航空宇宙局(NASA)長官に、共和党のジェームズ・ブライデンスタイン下院議員(42)をあてる人事案を承認した。近年、全会一致で承認されてきたポストだが、過去の発言や経歴から資質への疑問がでて共和党以外が反対。賛成50票、反対49票と薄氷の承認となった。
ブライデンスタイン氏は元米海軍のパイロットで、初の政治家出身の長官となる。2016年に「宇宙ルネサンス法」の導入を推進するなど宇宙政策に理解があるとされ、昨年9月にトランプ氏に次期長官に指名された。
一方、これまでのNASA長官を務めた宇宙飛行士や研究者・エンジニアに比べ、科学の学位や宇宙開発の実務経験がないことや地球温暖化に懐疑的で、同性結婚に差別的な発言をしたことが問題視されてきた。また政敵を厳しく批判してきた姿勢から、「政治的すぎる」と共和党の一部議員も反対していたため投票が先延ばしになっていた。
NASA長官はトランプ氏の大統領就任に伴い、昨年1月に前任のボールデン氏が辞職してから空席が続いている。長官代行を務める事務方トップのライトフット氏も今月内で退職することを明らかにしていた。(ワシントン=香取啓介)