OSK日本歌劇団による訪日客向けのショー=大阪市中央区
観光庁が発表した訪日外国人客数(推計値、1~11月時点)が2616万人と、昨年1年間(約2404万人)を超え、過去最多になった。訪日客がもたらす消費への好影響が、大阪市を中心に広がっている。
訪日客、過去最多を更新 アジア客増え2800万人視野
特集:訪日外国人客
大丸百貨店は梅田と心斎橋に店があり、両店の11月の免税売上高は前年より2倍ほどに増えた。近鉄百貨店あべのハルカス本店は、中国の大手旅行会社との提携も奏功し、11月の免税売上高は前年比で9倍に伸びた。高島屋大阪店は2018年2月期の売上高は前年より6・7%伸び、東京の日本橋店などを抜いて高島屋「一番店」になる見通しだ。店の売り上げの2割弱は外国人客で、化粧品や日本製の子ども服、時計などが堅調。11月中旬から店の免税カウンターを倍に増やしたが、それでも混雑が目立つ。「国内消費が伸び悩んでおり、訪日客のおかげ」(高島屋幹部)という。
ホテルの開業や計画が相次いで市内で過ごす期間が延びるなか、レジャーやイベントも強化される。JTB西日本はOSK日本歌劇団と組み、15日から夜のショー「REVUE JAPAN」を大阪・道頓堀の劇場で始めた。日本舞踊や殺陣を採り入れ、日本語がわからなくても楽しめるようにした。訪日客が初めて年間200万人を超えたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、夜のパレードを約70億円かけて大幅に刷新する計画だ。
訪日客の増加は交通機関も潤す…