スペインからの一方的な独立を宣言し、中央政府に解散させられたカタルーニャ自治州議会(定数135)の出直し選挙が21日投開票され、独立派が過半数(68議席)を維持した。反独立派と勢力が均衡するとの予想に反して勢いを取り戻す結果となり、スペインの一体性を重んじる中央政府に、改めて独立を求める動きを強めそうだ。
州当局の集計(開票率99・89%)によると、独立運動を率いて憲法違反を重ねたとして解任されたプッチダモン前州首相らが立候補した「ともにカタルーニャ」など独立派3勢力が、解散時より2議席減らしつつも計70議席を確保。独立反対派は、カタルーニャが本拠で「反独立」が旗印のシウダダノス(市民党)が第1党になる一方、独立の動きを批判してきた国政の左右2大政党が振るわずに計57議席にとどまった。投票率は約82%だった。
ただ、軒並み当選した州政府の元幹部の中には反乱罪の容疑がかけられて勾留中の候補もおり、プッチダモン氏はベルギーに逃れている。独立派が勝利を固め、ベルギーで記者会見したプッチダモン氏は「カタルーニャ共和国がスペイン国家に勝った。(自らが率いた)正統な州政府を再び立ち上げよというのが選挙結果だ」と語ったが、今後の州政府づくりには曲折もありそうだ。(バルセロナ=青田秀樹、津阪直樹)