22日、フィンランドを訪れたスペイン北東部カタルーニャ自治州前首相のプッチダモン氏=AFP時事
スペインの司法当局は23日、同国北東部カタルーニャ自治州の違法な独立運動を進めたとして、プッチダモン前州首相らを反乱罪などで起訴するための容疑を固めたと発表した。昨年末の出直し州議会選後に3人目となった州首相候補も同じ扱いとなり、身柄を拘束された。州政府づくりは混迷しており、再選挙になる可能性がある。
プッチダモン氏は昨秋、裁判所の差し止めを振り切って独立の是非を問う住民投票を実施し、一方的な独立宣言に踏み切った。中央政府は「法の秩序を回復する」として州の自治を停止して同氏を解任。反乱罪の容疑がかけられたプッチダモン氏は、逮捕を免れるためベルギーに滞在している。司法当局はいったん撤回した国際逮捕状を23日に再び出し、訴追に向けて強い姿勢を示した。
一方、州議会では、中央政府が命じた昨年末の出直し選でも独立派が過半数を維持した。だが、州首相が決められない状態だ。
ベルギーに滞在したまま返り咲きを目指したプッチダモン氏は、議会での討論に出席することが条件とされて断念。次の候補になった独立推進団体の元会長も、反乱罪の容疑で勾留されており行き詰まった。第3の候補、トゥルイ元州首相府長官は23日、司法当局が「逃亡、再犯のおそれがある」として勾留した。
トゥルイ氏に対しては、22日の州議会で信任投票が行われたが、独立強硬派の小政党が棄権して選任されなかった。24日には、2回目の投票が予定されていたが、候補者不在の状態に陥って実現しなかった。1回目の信任投票から2カ月間に州首相が決まらなければ議会は再選挙となるルールがあり、その場合、再選挙は7月となる見通しだ。(パリ=青田秀樹)