指導する学生たちにハラスメント行為や不適切な言動をしたとして、弘前大学(青森県弘前市)は25日、人文社会科学部の30代男性教員を15日付で停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性教員は同日付で辞職したという。
記者会見した吉沢篤副学長らによると、男性教員は昨年10月、当時のゼミ生8人(女性6人、男性2人)に卒論の指導を受ける条件を列挙した文書を配布。「指示を完全遂行する」「アルバイトを辞める」「合宿では徹夜で懇親を深める」「OB会に参加する」ことなどを強いる内容だった。「課題解決の実現(実現するまで無期限)」という条件もあり、これは男性教員の結婚相手を探すという意味だったという。
ゼミ生8人が5日後に大学側に苦情を申し立て、職員懲戒等委員会が当事者らに事情を聴いた上で処分を決めた。文書の内容については「明らかに常軌を逸したものや教育者としての見識を疑わせるものが含まれている」と結論づけた。
また、男性教員がゼミの特定の女子学生らと車で県外へ日帰りの調査旅行をしたり、頻繁に食事に行ったりしていたことも判明。女子学生らを学内で深夜まで指導したり、女子学生2人を自宅に呼んで指導したりしていたこともわかり、処分の理由に加えた。大学側は「教員と学生の立場の違いをわきまえないような行為だった」としている。
男性教員は事情聴取に対し「大変反省している」と話したという。ゼミ生8人は申し立て後、他のゼミに移り今年春に卒業した。(佐藤孝之)