ハリス・米太平洋軍司令官が日本国内の米軍専用施設上空での小型無人飛行機(ドローン)の飛行規制を求めた背景には、米軍機の航行の安全確保とあわせて、「無人機が米軍基地を狙ったテロに使われかねない」との懸念がある。
米軍施設上空、ドローン規制検討 米側、防衛相に要請
2001年の米国同時多発テロ後、米国の情報機関はイエメンやパキスタンなどでテロ組織の掃討のためドローンを使った攻撃を多用した。「米軍には『無人機は偵察兵器であり攻撃兵器』という認識が強い。日本国内の基地上空をドローンが飛び放題の現状に、米軍は以前から強い懸念を示していた」(自衛隊幹部)という。
15年に首相官邸の屋上で見つかったドローンに取り付けられた容器からは放射線が検出され、日本政府内でもドローンを使ったテロを懸念する声はあった。
ハリス氏が具体的に飛行例を挙げた沖縄県のキャンプ・シュワブは米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となっており、沿岸部の埋め立てに向けた工事が進む。防衛省によると、最近も米軍ヘリコプターがキャンプ・シュワブ上空を飛行中、ドローンとの衝突を避けるために急旋回した例があった。米軍側が撮影した写真には、日本の報道機関が飛行させたドローンが映っていたこともあったという。
改正航空法の規定は航空機の安…